Shantra

Shantra Diary

主に未来、精神分野

ラピュタ衰退 創作風

今より1万年以上前

現代より遥かに科学が発達した時代があった

その科学力は人工で天候を操り

雨を降らせたり、地震を起こすことも出来た

 

さらには重力を操作して

地球からの重力の影響を軽減する装置もあった

それによって人が飛行することも可能だった

 

ある科学者はもっと大きな事ができないか?

その重力装置を使って島ごと

空に浮かせる事は出来ないか?

そのように考えていた

 

大陸から離れた孤島に着目して

そこで実験を重ねていった

 

島の地中にたくさんの重力装置を埋め込み

さらにクリスタルの類を入れていった

クリスタルはエネルギーを増幅させる特性がある

 

地球をくり抜き、島ごと浮かせることができた

世界から分離した空に浮く小さな孤島

水が汚れず自然循環できるようにした

生態系が崩れないようにバランスよく生物を放った

課題は多くはあったが少しずつクリアしていった

 

科学者たちは

その浮島に夢を持っていた

何もない空に一つだけの

美しく輝きを放つ宝石のような

芸術的な楽園を夢見ていた

 

その楽園に人が住まう建物をつくった

島の中央に城を建て、周りに人の住む家を建てた

小鳥たちは元気よく鳴き、水も汚れなく循環している

果実や野菜を植えて楽しんだ

何よりも空から見渡す地上の景色は絶景だった

 

大自然と芸術の中で人びとは生活を楽しむ

しかし、地上から分離された世界でもある

だんだんと地上の世界が恋しくなってくる

 

今、地上はどのようになっているのか?

さまざまな情報は耳に入って来るが

実際この目で見たり、この身で体感したくなってくる

 

一種の完結した、停滞した世界で生きるより

もっと人びとのために貢献したいと

そのような強い想いが

人びとの心の中に眠っていた

 

それは生まれる前より

この穢れた地上を光の世界にするために

あの世の兄弟たちと、神との約束があったからだ

 

浮島に住む多くの人びとは

空の世界で生きる選択を捨てて

地上で生きることを選んだ

今よりもっと素晴らしい世界を作っていくために、と

 

その浮島は数百、数千年経っても

生態系が崩れることなく自然循環していた

一つの小さな完結した世界

だが、大きな停滞は苦しみを生む

人びとは刺激を求めて外へと向かっていく